2012年8月23日 津波避難所は浮き桟橋方式を

今朝の新聞の記事に、津波避難放棄者というタームが出ていた。来るべき西南海地震での津波予想高が32mということになり、もはや逃げるのは無駄と諦めてしまった高知県黒潮町の方々の存在があるというのだ。たしかにこのような波高の津波が押し寄せれば、少々の建物は全て飲み込まれるし、短時間で襲われるということを考えれば、高台に逃れる余裕もないことになる。では、地区にエレベータ付きの高層ビルをこれから作るか?あるいは、東北大震災のときのような避難カプセルを各個に配るか?後者はそれなりに生存率は確保されそうだが、その確度はおそらく不明だ。前者は、その膨大な費用のため実現することはありえないであろう。津波が来るときまでは無用の長物になるし、いざというときに停電とかでエレベータが動かないとかの事態が発生し、やはり役に立たないという怖れも十分にある。

そこで小生が提案したいのは、陸上設置の浮き桟橋である。陸地との接点は長い(少なくとも32mでも耐えれるだけの)鉄鎖にするのだ。陸上設置であるからエレベータなどは必要がない。津波は海面が上昇するかたちでやってくるから、海面が上がれば浮き桟橋は地面から離れ、海面上に浮かんでくれる。これを各地区にいくつかずつ作っておく。そうすれば身近なところに安全な避難地が形成されることになるのだ。高さは必要ないから、車椅子でも要介護者でも簡単に乗り入れられる。浮き桟橋の構造は単純なだけに極めて堅牢である。外海の波にも耐え、先の震災で流された桟橋は遠く米国、カナダの沿岸まで届くほどである。費用も新たな設備を作ることに比べたらタダみたいなものである。なにより電気などの外力を必要としないから設備の安定性は十分といえよう。少なくとも人命を確保するための確実性と安定性、コストパフォーマンスは十分だと考えるがいかがであろうか。