自動吸引マニュアル4

 

2.自動吸引の仕組み

2-3.低量持続吸引

気道内に吸引孔が設けられているため、ダブルサクションのカニューレ内吸引ライン(オレンジ色の端末)に接続可能である吸引ポンプは、10ml/秒以下の低量持続吸引が可能であることが必須条件です。唾液吸引用などの「低圧」吸引器は絶対に使ってはいけません。低圧持続吸引器の場合は、流量が少なくとも、気道内圧が陽圧のときにエアリークが発生してしまうため、気道に穴が開いたのと同じことになります。自動吸引に用いる吸引器は、あくまで定量かつ「低量」が条件となります。現状の医療器具でこの能力を持つのは、徳永装器研究所のアモレSU1のみです。人工呼吸器に接続している場合は、流量ダイアルの一番少量である「持続」にあわせてお使いください。注1 決して通常の電動式吸引ポンプや、病院などにある壁吸引を接続しないでください。これらは吸引用量が過大のため、人工呼吸で送られている換気の大半が奪われ、患者さんが換気不足に陥り、ただちに生命の危険が生じます。人工呼吸器に接続せずに、カニューレのみ使って自発呼吸をしている場合では、より大きめの吸引量が可能です。その場合は、ダイアル1か2でお使いください。なお、有効でできるだけ低い吸引量にすることが安全です。低量吸引のため、吸引の反応が悪いと感じられるときは、吸引ビンに半分水を入れてビンの容量を小さくしてお使いください。こうすると痰の洗浄もしやすいのでお勧めです。詳しくは、アモレSU1吸引器操作マニュアルをご覧ください。
また、主治医は、吸引器のスイッチがONのときとOFFのときの気道内圧の変化を確認してください。この変化がごく少なければ安全に運用が可能です。もし過大であるときは、自動吸引は不適です。

注1アモレの最新モデルはダイアル最小位置が、吸引量ゼロに変更されました。従って、人工呼吸下でお使いの場合は、吸引流量ダイアル1かそれ以下で、ON/OFFでの気道内圧の変動が1程度に収まるところで使ってください。2010/10/5追記

徳永装器研究所叶サ吸引器アモレSU1。
自動吸引では、低量モードで使います。流量を上げて使ってはいけません。
低量でかつ定量であることが絶対条件なのです。
これら在宅で通常使われている電動式吸引器は、吸引量が高容量ですので、自動吸引には、絶対に使ってはいけません。
低圧持続吸引器として市販されている唾液吸引器では、換気の陽圧リークが生じるため使ってはいけません。

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