自動吸引Q&A No2 導入 |
1. カニューレの変更はどうすればよいですか これまで使ってきた気管カニューレと、外径が同じサイズに変更してください。多くの気管カニューレは、内径表示になっています要注意。この内径と外径を混同すると危険です。たとえばアスパエース10.0を使っているからダブルサクションの10.0を使うと、大幅に小さいカニューレを使ってしまうことになります(実際このトラブルの報告が上がっています!)。多くのカニューレは内径(ID)より外径(OD)が2~3mm大きいので注意してください。現在のカニューレの仕様書をみて外径を確認し、それと同サイズのダブルサクションをお使いください。 2014年1月追記 2. カフエアの量はどのくらいがよいですか ベースになっている高研ネオブレス単管のカフは、他のカニューレに比べてやや小さめです。したがって、カフエア量も若干少なめになります。たとえばそれまでカフエアが8mlだったところが6.5mlになるとかです。エアリークが生じないギリギリの量からはじめてください。 3. 気切孔を痛がるのですが アーガイル・アスパエースや、高研ネオブレス単管のようにカフ上吸引ラインがカニューレの壁内に設置されているカニューレから、ダブルサクションに移行したときに、気切孔の痛みを訴える患者さんがおられます。これは、ダブルサクションのカフ上吸引ラインが外付けになっているため、そこが気切孔に刺激を与えるからだと思われます。数日で慣れますが、慣れるまでは痛み止めなども用いてください。 2014年1月追記 4. 気切孔のまわりがただれるのですが 気切孔のまわりがただれるのは、多くは唾液の流れ込みがカフで堰き止められて気切孔から溢れて、まわりの皮膚をただれさせるのが原因です。カフ上吸引を適宜行うことや、唾液を減少させる薬物が有効になることがあります。 5. 唾液を減少させる薬物は何ですか 副作用を利用して唾液を減少させる薬はいくつかありますが、眠気が来たりすることが多く、長く使うことが難しいものが大半です。私は、胃薬として用いられるガストロゼピンをお勧めしています。眠気など精神面に関わる副作用はありませんし、胃薬ですから胃を悪くすることもありません。しかし確実に唾液を減少させます。ただし咽の渇きが強く出ることはありますので、全ての方が使えるということにはなりませんが。 6. カニューレの首への固定は これは確実に行ってください。特に在宅の場合、体交などで呼吸回路が何かに引っかかりカニューレが咽から抜けてしまうことがありえます。看護師などがその場にいないときはパニックになり、患者さんを危険な状態に陥らせかねません。ダブルサクションのパッケージには首に固定する紐が同梱されていますので必ず使うようにしてください。それとともの万一のカニューレの抜け事故に対するスキルも、在宅の場合は関わる方は持たれるべきで打と思います。医師や看護師が家族、ヘルパーに指導していただきたいと思います。 7. 人工呼吸器のラインが外れないようにできますか カニューレのコネクタ(スリップジョイント)で、呼吸回路が外れる事故は後を絶ちません。患者の死亡につながる極めて危険な事故といえます。私たちは、この問題に対し、平川プレートという外れ防止器具を作成しています。大分協和病院では、入院中の人工呼吸器使用患者には全員使っています。このたび、ダブルサクション用の平川プレート・タイプKを作成しましたので、ご入用の方はご連絡ください。 対応URL↓ 8. ダブルサクションを使うとどうしても人工呼吸がリークします カフエアを必要以上に入れても人工呼吸器の吸気時のリークが生じて、気切孔や口から泡が吹き出したりすることがあります。これはそれまで使われてきたカニューレのカフエアが過大で、気管が変形(一部膨張しているような)したときに生じることがあります。この場合は、外径が一つ上(例えば12mmから13mmへ)のダブルサクションを試用してみてください。ダブルサクションはシャフトが楕円形なので、縦径より横径の方が小さいため、ワンサイズアップは通常可能です。サイズアップによりカフも大きくなりますので、リークを止めれることがあります。それでも無理なら移行不可能とお考えください。 2014年1月追記 |