停電時注射器吸引について |
東日本大震災で被災された皆様にこころからお見舞い申し上げます 大きな災害による長時間の停電において、人工呼吸器は内蔵、外部電源で動かせても(あるいはバッグ換気によっても)、吸引器がダウンすると大変困ることになります。そのときのために普段から大型注射器を一本用意しておいてください。今年3月の大分市難病研修会でお示しした方法をご紹介いたします。
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停電で吸引器がダウンしたら手動で吸引しないといけません。大型のシリンジを一本用意しておきましょう。100mlタイプ(JMS製)がお勧めです。50mlでも吸引可能です。それらが手元になければ、何mlでもいいですから吸引カテーテルに注射器をつなぎましょう。 | |
片手で吸引カテを保持して気管カニューレ内に誘導し、片手でシリンジのピストンを引きます。やみくもに引かずに、吸引圧を感じながらゆっくり引くようにしてください。痰による異音がしたり、カニューレから吹き上げてくるようなときにはこの方法で有効に吸引できます。 |
2011年11月追記
その後実際に何件かこの方法を試してみて、現在は次のように使い方を変更しています。 @吸引カテーテルの先端の側孔の部分を切り落とす。側孔があると、注射器吸引ではたんが引き込みにくいため。 A先端を落とした吸引カテーテルを三等分して使う。長いと片手でカテを持たねばならず、シリンジを片手で引くのは手の小さい女性には難しい。短くするとシリンジを引く動作に両手を使えるので吸引しやすい。また一本のカテを三倍使えることにもなる。 以上です。当院では、在宅気切患者全員に100ccシリンジをお配りし、注射器吸引手技の講習をいたしました。 |