2001年10月2日 医療用具の安全性

我々も10台以上稼動させているベンチレータ(人工呼吸器)であるLP6に、突然機械が停止するトラブルが生ずることが、先月末、日本代理店のアイエムアイが記者会見し、明らかになった。メーカーからのブリーフィングでは、ここ2年間に13台のLP6ないしLP10が突然機能停止し、うち5台は、その原因が全くわからないというのである。原因がわかり次第、対象機の当該部品の無償交換を実施するということだった。これを聞いて、おや?っと感じた。うちの機械でも前にそういうことあったじゃないか、と。うちで扱っている機械では、過去5年の間に、1台の機能停止、2台のバッテリートラブル、1台のアラームトラブルが発生している。2台のバッテリートラブルは、当然オーバーホール保証の対象なので無料交換であったが、1台の機能停止についてはボードトラブルとして、約20万とられた。そういうこともあるのか。保証年限を越していたら、有償修理の対象なのかと、納得できない思いをもちながらも、料金を払った。そこに今回の発表である。なぜ、今回の発表が行われたのか。それは、新潟県のある病院の人工呼吸器が突然停止し、担当医がそのことを厚生省に報告したからだという。この5年間に13台の機能停止があったにもかかわらず、それはおそらく私たちのケースと同様、ユーザーから料金をとって修理するという対応をしていただけなのであろう。原因についても深く探求されてこなかったに違いない。やはり、きちんと監督官庁に報告を上げないと、メーカーあるいはディーラーは本気にしないということがよくわかる構図である。さて、このような医療用具による安全性の問題が発生した場合、どこに報告してよいか、あまり知られていない。医薬品の副作用の報告については、よく知られており、メーカーの責任で副作用報告を厚生省に上げることが確立されているし、私も過去何度かこれを書いたことがある。しかし医療用具については、私も知らなかったし、医療器具卸も把握していなかった。そこで調べてみた。担当課は、厚生労働省医薬局安全対策課であった。同課の担当官と電話で話をしてみて、報告書のフォームがあることを知った。上記のベンチレータトラブルも、ここに報告され、明らかになったこともわかった。これがそのフォームである。これをプリントアウトし、必要事項を記載して、上記安全対策課にファックスで送るか、郵送すればよい。ファックス番号は 03-3508-4364 である。

実は、別の医療器具による副作用の発現があり、そのことを調べている最中に、このベンチレータトラブルの話が浮き上がった。おかげで大変よい勉強ができた。是非、実際にこのルートで報告してみたい。そのことについてはまた近いうちに別項目で報告します。楽しみにしていてね。

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