Dr Makotyの近況報告2004年

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近況報告2003年

12/8 11月30日から12月6日まで大分を離れ、フィラデルフィアに行っておりました。往診に行けなかった大分のHMV患者の皆さん、ご迷惑をおかけしました。国際ALS/MNDシンポジウムに参加するためでした。あちらでは時差に苦しめられた上に、帰りはなんと都合30時間もかかって、最後は博多発の最終電車に間一髪で間に合い、6日月曜早朝2時に家にたどり着きました。今回のシンポジウム参加の収穫は大きかったと感じています。プアな英語力を省みず、思い切って行ってきてよかったと思います。まず、ALSへの呼吸器対応がNPPVも少数、TPPVはほとんど皆無という欧米の状況への認識です。以前からこのことは語られ、わが国から呼吸器をつけた患者さんたちが、欧米の意識を変えようと参加されたこともありますが、あいかわらず大きな差です。この差が何に基づくのか、充分吟味し検討していかねばなりません。でないと2年後の横浜でのシンポジウムで大混乱が発生するおそれありと思うからです。次は、病態への認識です。運動神経限局と言われてきたALSの神経変性がそれにとどまらないという知見が積まれつつあると感じました。確かに脳の萎縮を伴う患者さんや、TLSなどの問題を考えると、このことはさらに明らかにならねばならない事項と思います。海外との差が大きいのですが、国内でも差があります。以前から関東以北と関西以西ではHMVやTPPVの比率が全然違うと思ってきましたが、その差が、患者さんの意識の差なのか、主治医の意識の差なのかもはっきりさせる必要があると思います。その意味で、北海道でHMVを支えておられるN先生や、東京のH先生とじっくり語り合えたのは非常に有意義だったと思っています。差があるのは事実です。しかし、その差が何によって生まれてきているのかは、国内、国外を問わずきちんと明らかにしていく必要を感じた数日間のアメリカ滞在でした。私にとっても久しぶりの海外でした。これも病院に若手の先生が加わってくれたおかげです。私不在の一週間、皆さん安定しておられ、ほっとしました。まあ、うちのスタッフの方々なら、私が少々不在でもほとんど対応可能のレベルになられておりますから安心なのですが。
11/28 メヂカルフレンド社のナース対象月刊誌「看護技術」12月号に、自動吸引装置の解説を載せていただきました。先日出版社から雑誌を送っていただきましたが、とても良い出来です。まず文章が短い。さらに図が大きく、多い。なんといっても巻頭を飾るグラビアページです。自動吸引装置のメジャーデビューといったところでしょうか。臨床試験もおおむね順調に進んでいます。これまでのところ、ほぼコンスタントに20cc程度の痰を排出できています。20回分以上の用手吸引の代行が出来ている、と考えてよいのではないでしょうか。今晩NHKの取材が入る予定。
11/18 自動吸引装置の臨床試験が11月8日から始まっています。最初の週はケース1名、コントロール1名の2名でしたが、第2週目の現在は、ケース2例、コントロール2例の4例になっています。毎朝使った水の量を各ボトルごとに測定し、吸引されたものを気管内、口腔唾液、自動吸引ごとに分けて測定しています。最初の週は2名で約1時間かかりましたが、今週はだいぶ要領がよくなったのか、同じ1時間で4名測定できています。結果はまだ始まったばかりでもあり、一喜一憂とでもいう状態でしょうか。用手吸引回数がどーんと減っているとよしよしと微笑み、意外に回数が伸びていると、どうしたんだろうと滅入っているような毎日です。ただ言えることは、昨年度の臨床試験より確実に進歩していることでしょう。ただ今回私が密かに目標にしたのが、用手吸引ゼロだったので、それはあまりに無謀な目標だったのかも知れません。こういう毎日が1月末まで延々続きそうです。ただ、さ来週の今ごろはフィラデルフィアの予定。ふふふ。短いリフレッシュ期間のはず。
10/22 九州大学神経内科の吉良教授からお声がけいただき、福岡で開催された難病ネットワーク研究会で講演してきました。研究会の会場は満員で、廊下にはみ出すほどでした。主にHMVにおける呼吸管理という演題でしたので、HVVやNPPVの導入法、さらにNPPVと気切の併用などをお話ししました。最後に自動吸引装置の開発についても少し触れさせていただきました。多くの質問をいただき、また講演の後も何人からも挨拶を受け、それなりに役にたったかな、という実感があります。また東京のALS協会理事の川口さんともはじめてお会いすることができました。彼女の発表にも感銘を受けました。まさに凄いパワーと思います。日本ALS協会の橋本会長も参加されており、同行の関係者の元気のよさも感銘でした。最終便で東京に帰ると言われていましたが、みなさん、博多ラーメン食べれましたか?
8/29 東京の日本ALS協会本部で、呼吸器事故防止委員会の初会合が行われ、私も委員として参加してまいりました。事故でご主人を亡くされた、静岡の堀内さんも参加されました。この何年かでも必ず数件の呼吸器のはずれ事故が新聞報道されています。しかし、大分の経験からみると、報道されていない多くの事故があるのです。まさしく報道されているのは氷山の一角にすぎません。そして呼吸器事故それも最も多い回路事故のほとんど全ては、気管カニューレと回路のはずれ事故です。この部分をなんとかしないと、これからも延々と事故死が続いていくだけです。なぜここに事故が多発しているのでしょうか。それはここがスリップジョイントといって、固定されない構造であるからです。ICU管理で用いるのであれば、はずれてもすぐ気がつきます。しかし病棟管理、それも個室などで人工呼吸器を使うと、はずれても気がつかない、という事態が生じるのです。もちろん多くのはずれ事態が看護者や介護者の努力で事故にならずにすんでいます。しかしどうしてもそのうちの何件かは、事故になってしまうのです。それは必然なのです。まさにハイムリッヒの法則そのものなのです。この事態は、患者さんにとっても危険きわまりないことだけでなく、病院にとっても極めて危険な事態なのです。ひとたび事故を起こせば、それまでいかに頑張っていたとしても、世間の批難は免れません。こんな欠陥器具しか使えないのにと恨んでみても、ただひたすら頭を下げ、お詫びするしかないのです。こんな理不尽なことがあるでしょうか。このスリップジョイントにロックを設けよと、私は5年前からことあるごとに主張してきました。人工呼吸管理の全てをICUで行うというアメリカに、事態の改善を要求しても無理です。今回の事故防止委員会に出席された国立徳島病院の多田羅医師は、現在国立病院機構(いわゆる国立療養所)に筋ジス、ALSあわせて1500名以上が人工呼吸管理で入院していることを示されました。そしてこの全ては一般病室管理なのです。これこそがわが国の実態なのです。極端な言い方をすれば、気管カニューレの日本型モデルをつくらねば、この多くの方々、そして在宅の多くの方々の生存は保証されないのです。スリップジョイントにロックを。それもワンタッチでとめれるロックを是非使えるようにしなければなりません。そのための第一歩がついに踏み出されたという実感をもちました。
7/30 来月初めにある呼吸管理学会の発表のための資料を作っています。今年の呼吸管理学会は、全一般演題がポスターセッションとのことで、なんでも、学会長の意向で、その理由はこころおきなくシンポジウムなどに参加してほしいからそうした、らしいです。一体、何を考えておられるんでしょうか。私たち現場の医者が、少なくとも僕が一番学会で楽しみにしているのは、現場からの多少荒削りであっても生々しいレポートの類です。もちろん興味のあるシンポジウムも参加しますが、まあ一聴衆以上の意味はないです。休憩のために入ることもあります。しかし一般演題の発表と質疑応答は、単に聴衆の域を越えて興味をそそるものなのです。白熱した議論の場となることもあります。それこそが学会の白眉というべきではないでしょうか。それが、形式に近いポスターセッションだけというのでは、発表の用意をすることにも力が入りません。学会にとって、最も大事なのは、生き生きとした一般演題のセッションではないでしょうか。シンポジウムで喋る偉い先生が、一般演題に聴衆を取られて寂しいと不満を持っているんでしょうかね。そんなにシンポジウムが大切なら、一般演題と別の日に設定すればどうでしょうか。もっと参加者が減るような気もいたしますが。こんな阿呆な学会運営するようなことでは参加者激減してしまいますよ。先日事務局に抗議しておきましたが、多くの方がそのように思われているんではないですかね。昨年は呼吸療法学会(麻酔科がメイン)との合同会で、我々呼吸器科医と麻酔科医との考え方の違いなどもうかがえて盛り上がっただけにとても残念です。私としては、一般演題発表をさらに充実する方向で、例えばフィルムスライド発表のみのプレゼンテーションを、PCプレゼンテーションにして動画も出せるようにするなどの改善を考えますね。
さて、今度の学会には、昨年度の自動吸引装置のまとめと、今年度になって進めることが出来たことを発表する予定。かなり形になってきました。
7/7 お昼ご飯を医局で食べていたら、この4月から勤務しているOドクターから、先生、雑誌に出てましたね、と言われました。???なんのこと?と聞き返すと、先生が買った雑誌にあるじゃないですか。それで買ったんでしょ、と言うのです。それは、ついに雅子さま「離婚説」まで飛び出した宮内庁「無為無策の重罪」、という記事にひかれて、先週の土曜にコンビニで買った週刊新潮でした。なんのこと?とページをめくると、「患者は院長」というところがあって、腹の突き出た院長さんが、自分で皮下脂肪を消失させる治療をやったという、巨大な腹部丸出しのグラビアがあります。おいおい、これんことかい。先生、違いますよ、もう少し先です。なになに、おおお、これかい。シリーズ介護最前線。大分県佐伯市!なに、僕の名前まで出てる!なんだこりゃ! それは私が以前から関わっていたNさんのことでした。県南の佐伯の地で、初めての在宅を、保健所、訪看ステーション、病棟、デイサービスセンターなどと共同して取り組んだケースです。奥様のインタビュー中心の読み物でしたが、その中に僕も登場してるわけです。7月8日号でした。ということはもう明日は次の号の発売か。お知らせするにはちょっと気付くのが遅すぎました。
いやいや、ネットにはきっとある、と探すと、ありました。コムスンとのタイアップのようです。こちらに出ております。拡大のボタンを押せば、読めるサイズになります。
6/20 ALS協会徳島支部の総会で講演をさせていただきました。徳島支部は会員患者は10数名という比較的小規模の組織のようですが、支援者や、患者さん、ご家族の絆が強く、アットホームな印象を受けました。ところで台風6号が北上中で、行きは大雨、帰りは愛媛大分のフェリーが止まり、瀬戸大橋経由の陸路となってしまい大分に帰りついたのは深夜になっていました。幸い大分は台風のコースからはずれたのですが、徳島が私のうかがった翌日直撃されてしまいました。お気の毒です。停電などの被害はなかったのでしょうか。
6/13 ALS協会大分支部の総会が行われました。第10回ということで、準備会から数えると10年がたったということです。準備会をしたころ先頭に立たれた、土居喜久子さんや本田昌義さんが今も健在であることは大変嬉しいことです。そういえば会場で、本田さんの奥様が司会をされていましたが、在宅10年目に入ったと言われていました。初めて参加された患者さんも多数おられましたが、なんといってもトピックスは、佐伯の西田さん、狩生さんが現地のサポートグループに付き添われてついに参加することができたことです。大分医大から佐伯の長門病院に転じられた三宮先生も同行していただき、大感謝です。県支部最高顧問永松先生のご講演も、これまでの10年を振り返るという内容で、この会の発足当初いろいろ描いた夢は、かなり実現しているんだ、という力強いものでした。そして、自動吸引装置もまたもうすぐ実現にこぎつける、と約束されました。私の方からも、本田さんのご依頼で、現在の到達点についてお話させていただきました。会の前に永松先生にお会いしたとき、どうなの、と聞かれ、先生、いけますとお答えしましたが、少なくとも3月の時点での有効率60%程度というのは、大幅に更新できる目処が立っております。8月の呼吸管理学会でそのあたりを報告する予定です。
来週の20日は、ALS協会徳島県支部の要請で、講演をしに四国に渡る予定。台風がそのころ来るという情報もありますが、それて欲しいものです。なんせフェリーが止まると、四国は日本で最も大分から遠い地となるのです。
5/21 あの超多忙な3月が終わって、研究の方も一休みしているうちにもう5月になってしまいました。いつまでもうたたねしているとまた最後が大変になりますから、そろそろ始動しなければなりません。とりあえず、チューブポンプのトルクを上げたものが出来ましたので、それと、下部吸引孔を改良した気管カニューレの新作で、テストを開始したいと思います。
今日は、大分市の東はずれでHMVの開始をしてきました。2週間前に、大分日赤から紹介を受けた在宅希望の方です。2週間の教育入院を終えて、無事退院となり、現地で訪看STの方々に引継ぎです。緑の美しい山のなかで、水草茂る沼や、美しい小川、大正以前の建造物と思われる民家など、こころ洗われる村のたたずまいでした。かなりご高齢で、神経難病ではなく呼吸器障害の方ですが、無事に自宅で過ごせる時間がながくなることをお祈りしています。
4/8 ついに報告書が完成しました。写真のページもなかなか美しく印刷できています。最後の追い込みの校正が大変で、3校までしましたが、やはり校正抜けというのはあるもんで、あっ、という箇所がありましたね。結局総ページ数59ですからまあカッコウはついたというところでしょうか。超忙しかった3月の反動で、やれ原稿できた、校正できた、製本できた、という度に一人で祝って飲んでおりましたので、やや体重が増加気味です。肝機能もいかんかも知れません。そろそろお祝いモードから脱却して今年度の計画を立てねばなりません。とりあえず15年度の研究目的である実用化への道筋はつけれたので、今年度は完成させねばなりません。安全、確実、快適に自動吸引が行えるようにです。
3/31 九州大学神経内科の吉良教授に依頼されて、福岡重症難病ネットワークでの講演を、昨日やってきました。このネットワークは2週間前TBSの報道特集で、30分くらいの特集番組になって全国ネットで紹介されています。私の講演の前に福岡の病院の院長と看護師長でパネルディスカッションをやられましたが、それを聞いて考え込んでしまいました。とにかく神経難病=マイナスのイメージが強いなあ、という印象です。そういう固定された印象があって、なかなか入院施設を探してもみつからない。それで仕方なく在宅というような流れがあるのかなあ、というように感じてしまいました。単なる印象ですから実情は異なるでしょうし、全てがそのイメージで統一されているわけがないのでしょうけど、私たちが大分で語っていること、お聞きすることとはかなりの落差があったように思います。大分市のALSで気切人工呼吸患者の在宅率は76%ですから、なんと8割近くが在宅やっているわけですよ。これはもう患者さんや、ご家族の皆さんの考え方が違うとしか言いようがありません。なんとか入院施設をとベッドを奪い合うよりは、在宅でやれる環境をしっかり作ってレスパイトをきちんと確保するという形で入院施設が協力するという方がよほどうまくまわるんじゃないかと思ったりしました。大分市の患者さんとご家族は凄いんだなあ、とあらためて感じいった次第でした。これはもう文化の領域なのではないかと思ったりします。
3/29 厚労省の補助金での研究の報告書が出来ました。正確には第1校が終了。しかしもう終わったようなもんです。思えばこの3月、臨床試験と報告書をまとめるためろくに休みもとってませんでした。連日深夜まで書いていましたが、その甲斐あって、ページ数だけは55と、大作になりました。自動吸引の詳しい内容は、報告書公表の4月9日以降になりますが、かなりいい線いったかなという気分ですね。夢でしかないと思われていた気管内の痰の自動吸引ですが、すくなくとも夜間の排痰くらいならほぼいける、という線は確保できました。それと、今までやっていた方法を捨てて、思いっきり安全な方法をあみ出しました。多少の改良はまだ加えていかねばなりませんが、来年度各地で臨床試験を行い、再来年から実用に持ち込めるようにしたいと思います。もちろん来年度の研究費がついたらの話ではありますが。新型気管カニューレの方は、年内に薬事申請に持っていきたいというのがメーカーの意向ですから、こちらは自動吸引装置より早めに世に出せるかもしれません。そうそう気管カニューレのマウントのロックもあと1年くらいで現物が出てくる可能性がありますよ。26日に福島に行って来てこのあたりを現地の開発の方々と相談してきました。
3/13 こちらの日記もサボっていたらもう3月です。このところ連日臨床試験を行っています。もちろん自動吸引装置のです。現在4人目と5人目を行っているところです。カニューレの完成が2月半ばでしたから、どうしても3月にずれ込んでしまうのはしょうがないのですが、もうあと1週間もしたら厚労省に出す報告書の原稿を出さねばなりません。来週もまだうちと県病で一人ずつ臨床試験があるというのにとため息がでます。おまけにこの報告書も、これまでの研究報告書と同じようなつもりで、2月ころから書き溜めてきてA4で30枚程度になっていたのですが、厚労省のは書式ががっちり決っていて、まるで論文形式なのです。このことを全く知りませんでした。なんせ厚労省の研究費なんてもらったことない田舎者ですから。慣れないことはうかつに手をだすと後が大変です。あと1週間しかないのに・・・。間に合うんでしょうか。
1/19 先日徳永さんから教えてもらって、PCでのテレビ電話開始してみました。4500円の投資だけですみます。こいつでエレコムのビデオチャットセットを買って、MSNメッセンジャーをインストールし、設定するだけでパソコンがテレビ電話になってくれるのです。もっともPCが常時接続環境になっている必要があります。こちらの環境はBフレッツですが、ケーブルインターネットでもOKのようです。相手の顔を見ながら喋るというのはなかなか面白いですよ。それに電話代かからずにテレビ電話できるというのはとっても経済的です。いわゆるネットフォンとかのような特殊な料金もいりませんしね。ただし相手も同様のシステムを持っているという限界はありますが、友人同士で持ち合うなんてことにしたら使い道ありそうです。早速共同研究者の徳永さんとの連絡に使っております。また、このシステム使って在宅患者さんの状態をチェックしたり出来るかな、なんて考えてみたりもしています。来年度には在宅患者さんに自動吸引装置を導入することなど考えていますので、こういうバックアップを持っておいた方がいいんじゃないかとか思っています。
1/18 徳永装器の研究所で、実験モデルの稼動をさせるため、日曜の朝大分を出て宇佐に向かいました。途中先日の雪が道路の端に山積されており、まるでスキーに行くときの中国道のようです。別府の扇山が真っ白に雪化粧しています。大分市内はほとんど積もりませんでしたが、少し郊外は5〜15cm積もったようです。自動吸引装置のロジックを午前中一杯議論し、午後は実際にモデルでの稼動開始です。模擬痰が気管内に投入されて、溜まってくると気道内圧が上昇し、吸引機のスタートが行われ、痰を吸いきり、エアを吸うようになると吸引圧も下がり、それを感知して吸引機の動作を止めます。このロジックも2号機では変更する予定としていますが、この1号機の動きもかなりよいようです。この写真は、モデル実験の様子と、自動で採取された模擬痰です。一晩中稼動させることにして解散。さて翌朝モデルはどうなっているのでしょう。モデル肺の中まで模擬痰で一杯か。あるいは機器がエラーで止まっているか。結果は大成功。痰はきちんと吸いきり、モデル肺は乾いた状態だったようです。ただし人工呼吸器は一度ハイプレッシャーアラームを鳴らしているようで、これがどのように生じたのか、これから解析です。
1/3 正月休みを利用して、徳永装器の研究所で自動吸引装置の作動条件を検討するミーティングを山本、徳永で行いました。自動吸引動作の開始と中止を何を第一義にして動かすか、というのがテーマです。あっというまに数時間がたってしまいました。これは山本がわけのわからんことを説明するのを根気よく聞かれている徳永さんの図です。ま、こんな具合に、お正月から楽しくやっております。晩は二人で新年会。宇佐の炉辺焼き屋で遅くまで楽しませてもらいました。
2004/
1/1
穏やかな新年を迎えました。冬が開けた春のような日和となっています。お仕事は今日から日直ですが、出だしに睡眠薬大量服用の患者さんが運び込まれてしまいました。お正月から胃洗浄ですが、容態も安定しているので問題ないでしょう。
昨年は、とにかく慌しい一年で、自動吸引装置の開発を厚労省のバックアップで行うという仕事が始まり、共同で気管カニューレを作ってくれることになった東北のメーカーに二度伺ったり、権威者をお呼びしての評価会議を開いたり、実験をはじめたりと普段の医療以外に大仕事を請け負ってしまいました。ついでに医学書の執筆(共著ですが)、雑誌の論文など、ちょっと無理かななんて思いながら、今が旬だ、との意気込みで引き受けて走ってきました。今年は研究の方をなんとか3月一杯で報告書にまとめるところまでこぎつけないといけません。追い風一杯うけて、ゴールになだれ込みたいものです。年賀状に代えてのご挨拶です。本年もよろしくお願いいたします。