自動吸引マニュアル7

 

4.注意、禁忌、責任、同意

4-1.注意

このシステムは、要吸引回数(とくに夜間)の減少により介護負担を減らすことが目的であり、要吸引回数をゼロにすることが目的ではありません。したがって、必要に応じて、吸引カテーテルを用いた吸引を適宜実施してください。体位交換や、スクイージングやタッピングなどの排痰促進手技も、これまで同様に実施してください。人工呼吸器のアラーム設定も、変更しないでください。また、在宅の場合、常に誰かの監視がある状態でお使いください。このシステムは、介護の無人化をすすめるものではありません。吸引ラインが痰によって閉塞することはありますが、自動吸引以前の状態に戻るだけであり、そのことで何らかの障害を発生させることはありません。
吸引ラインが痰などによって閉塞した場合、注射器により手動で引いてください。もし開通しない場合は、吸引器の電源をOFFにして、主治医により新しいカニューレと取り替えてください。なお、自動吸引の効果については、個人差がありますのでご了解ください。

4-2.禁忌 

自動吸引とは、低量のエアを常時吸いだすことで、痰の吸引が可能になっているシステムです。吸引量が低量であるため、患者の換気が確保されることになります。そのため、ダブルサクションのカニューレ内吸引ラインに、用手吸引用に使われている電動式吸引器や病院内の壁吸引設備を、絶対に接続しないでください。このような使い方をされた場合は、吸引量が過大であるため、患者の換気を奪い、極めて危険です。万一このような誤った使用法を実施して、なんらかの障害が生じた場合には、当方の責任の範囲外とします。また、本システムは基本的に成人を対象として吸引量が想定されています。新生児などの換気量が極めて小さな患者については、安全性が確立しておりませんので使用しないでください。ただし従圧式換気を行っている場合は、この限りではありません。

-3責任

ダブルサクションも、アモレSU1も、自動吸引用として認可、承認が得られているわけではありません。従って、これらの機器を接続し、自動吸引を行うことは、全て主治医の責任の下で実行される必要があります。なお、何らかの問題が生じた場合はこちらまでご連絡ください。

4-4.同意

このシステムの使用は、あくまで患者側の同意に基づいて行ってください。さらに、看護、介護に関わる方々に、その意義、限界を周知させた上でお使いください。

  

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